ぱりぱり

ハッピー・オールド・イヤーのぱりぱりのレビュー・感想・評価

4.0
こういう残酷で冷徹な物語って最近全然見ない気がする。私は正解を示す映画よりも、見過ごされた深刻な失敗を示す映画の方が好きなので嬉しい

私はものを捨てられないタイプで、今も自室には床にいろんなものが重なっておいてあります^_^
なにかで読んでなんとなく納得したけど、ものを捨てられない人は(実は)寂しがり屋らしい、自分の周りの汚部屋フレンドを思い返しても、当てはまっている気がする
ものは何かしらの記憶と結びついているもので、たいてい人との思い出が絡んでいる。それを捨てられないということは、その人との関係を大切に思っているから。
というと、いいようだけれど、ある意味、ものによって人との関係を保留しているともいえるかもしれない、あるいはなにか過去の経験に結論を下すのを保留しているともいえる。
やっぱりたまには片付けなきゃな〜、でもミニマリストには憧れない、(ある程度の規律はあるけど)ごちゃごちゃした部屋が好き、いろんなものと生きてる感じがいい

過去の自分の行いに対する清算をここまで厳しい形で示されることはないかもしれないけど、そうだよね、過去の自分と向き合うというのは、自分の失敗を内省するというよりも、その場にいた他者と今改めて向き合うことなのかもしれない
元彼には結構納得してしまった...今後が心配だけど。謝ることは相手に赦しを乞うことでもあって、謝る人自身の罪悪感を埋めるためだけにしか作用しないこともあるかもしれない
相手を不当に傷つけた、と思って傷つけた後しばらくしてから謝るのは、謝罪によってその人の傷が癒える時期でももはやないし、謝る人のための謝罪であって、謝られる側は怒りが沸くんだろうな。

ジーンも深く傷ついているけど、その傷を守ため隠すために、ジーンが他の人を傷つけたこと、その事実とはこれからもともに生きなければいけないのか...厳しい...
でも、この映画の好きなところは、ジーンが人を傷つけたことを批判はしないけれど、どんな事情があったにしろその償いをジーンに求めるところ
はあ、私も近い将来いろいろな過去を清算しなければいけない時が来るんだろうか