ワ

ハッピー・オールド・イヤーのワのレビュー・感想・評価

3.8
タイ旅行行くからタイの映画でも見てみようと思って観て、タイから帰ってきたのでもう一度観てみた。

この作品が作られたのは3年前。タイの社会が過渡期にあるからこんな作品が生まれたんだろう。
バンコクを歩いていると、タイ仏教の寺院に由来するようなごちゃっと装飾的な文化に囲まれてきた社会が今後、西洋的な現代建築に由来するようなスタイリッシュな姿に移り変わっていくのだろうと感じることが多かった。
でも同時に、昔からの暮らしを大切にしているんだとも強く感じた。
作中では、ミニマリストになりたい主人公と過去と今の暮らしを大切に(しがみついているとも言う)している家族との衝突が描かれていたが、タイの社会にもそんな空気があるんだろうか。

作中で兄さんが、古いものにもトキメキを感じるけどなーみたいなことを言っていた。私もそっち派で、どこぞかの本に書かれていた、懐かしさとは恋である、という言葉に強く共感する。
過去を精算して代謝していく社会と、懐かしさに愛しみを持って暮らす社会がうまく共存できればいいのになー。日本は半端に失ったから。
だからタイの人たちが今後どんなふうに社会を築いていくのかにとても興味がある。

にしても主人公には身勝手さばかり感じるね。
自分の理想を正義として横暴に振る舞いすぎ。他人の過去を蔑ろにしすぎだよ。そして登場人物みんな優しすぎ…
タイ在住の方のレビュー読んでみたいです。
ワ