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新・三等重役のsayuriasamaのレビュー・感想・評価

新・三等重役(1959年製作の映画)
4.4
サラリーマンの悲哀と笑いと

ラピュタ阿佐ヶ谷小林桂樹特集にて。

社長代理の沢村は(森繁久彌)独身で、前社長夫人、宮口鶴子にことあるごとにお叱りを受ける一応の社長さんである。そして、これまたオールドミスの箱田(新珠三千代)を秘書と信頼しているが、これといった進展はなし。部下の八代(小林桂樹)もサラリーマン役員の鑑のように接待のセッティングなどをちりあえずは恙無く?準備している。
さて、最大の取引先である鬼塚商会(社長は加東大介)の娘(雪村いづみ)が社長夫人業を学ぶためという名目で就職しに来る。箱田に教育係を命じ、こちらは上手く対処できそうである。しかしこの鬼塚社長、自分の立場が上であることをいいことに自分の不倫旅行のセッティングをやらせたりと横暴。さて、沢村たちの会社の運命はいかほどに?

電機メーカーを舞台に繰り広げられるサラリーマンのどたばたぶりが面白かったです。
いわゆる社長シリーズみたいなものですが、森繁久彌のおとぼけ社長代理ぶりに、ふんわり、でも忠誠心溢れる小林桂樹もナイス。断固天丼を食べないシーンは大笑い。
女性陣も華やかで、おてんば跡継ぎ雪村いづみもよかったなあ。
新珠三千代は可憐すぎる秘書ってとこだな。それに接待で御用達の料亭の女将の草笛光子も若い!粋!あと、加東大介の不倫相手の横山道代もハツラツキャラで面白かったです。

いわゆる白物家電の三種の神器の時代。先代の林家三平がCMに出て宣伝している設定に面白さと時代の流れを感じました。

みんなが伴侶を見つけていくホッコリストーリーであり、またかなり客席からは笑いがおきていました。
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