串田壮司監督の初長編作品。
cocoさんのオンライン試写会で拝見しました。
今まで様々な作品を観てきましたが、どのジャンルにも当てはまらない、強烈なオリジナリティがありました。
BGMはほぼなく、生活音がやたらと耳を刺激します。
械のレタッチペンの音
キョウコのハイヒールの音
カマキリの咀嚼音
髭を剃る音
コーヒーをグビっと飲み干す音
人が出す音が、不穏さを際立たせる。
SNSの評価でしか自分の存在が感じられない女・キョウコ。
いいね!数が減り焦りを感じていた時、ある行動にでると、評価が爆上がり。
彼女は恍惚となります。
が、それが仇となり、SNSからシャットアウトされます。
本作、全体的にいい意味の昭和臭があるのですが、このシーンだけがやけに今っぽい。
SNSから締め出されたキョウコを闇から救った械もまた、キョウコに必要とされたことで救われます。
キョウコが本当に必要だったのは、知らない誰かからのたくさん評価じゃなく、たった一人から肯定されることだったーーー。
エッジの効いた作品ですが、根底にあるのは日本人的な柔らかな愛の物語。
映画好きをきっと満足させる、新鋭の監督さんだと思いました。今後も串田監督作をチェックしていきたいです👍🏻
****以下、余談****
☆ 械のレタッチ技術はかなりハイレベル。タレント、俳優、アーティストのお抱えレタッチャーでもいけると思う 笑
☆カマキリの食事シーン、カマキリ同志の共食いシーンあり。虫嫌いの方はご注意を。
☆キョウコの撮影時のポーズは、ヨガのアーサナ? そうであれば違和感を感じたので、ポーズのイントラを入れてほしかった。すごく、気になる😶