けーすけ

PLAY 25年分のラストシーンのけーすけのレビュー・感想・評価

PLAY 25年分のラストシーン(2018年製作の映画)
3.4
2020/10/21(水) cocoの特別オンライン試写で鑑賞。https://coco.to/

マックスは13歳の時に両親からビデオカメラをプレゼントしてもらい、以降家族や幼馴染みの友人であるマチアス、アルノー、エマとの日常を日々撮影し続けていた。映像を撮り続け時は流れ、38歳になったマックスは大量の映像を作品として編集する事にした。25年の歳月を振り返り、マックスはラストシーンのためにある決断をする・・・








日本でも2020年に公開された、90年代半ばの少年たちの日常を切り取った『mid90s ミッドナインティーズ』に似た空気を感じた映画でした。



本作では1993年から2018年までを描くので、少年時代、青年時代、おっさんにさしかかった時代の3世代にわたっての主要キャストが選出されたとの事。出演者の成長に伴って時代が変わっていく様の表現がとても良かったです。
(因みに、全編にわたって撮りためたビデオ映像な演出のため、知らずに観ると実際の映像を使ったドキュメンタリーとかに思える映画かもです)


各時代のアイテムや出来事としては、ゲームボーイやプレイステーションが出てきたり、1998年のサッカーW杯フランス大会や、2000年のミレニアムカウントダウンといった印象に残る出来事を切り取っており、「あの頃の自分は何してたっけ?」と自身のその頃に思いを馳せるような作りにもなっていて色々と懐かしい気持ちも。

さらに音楽も当時のヒット曲を多く使用しており、ジャミロクワイやOasis、レニー・クラヴィッツ、、カニエ・ウエスト、アラニス・モリセットといった多くの楽曲がその時代の象徴として映画を引き立てており、音楽好きには刺さる選曲間違いなし。


映像も4:3の画角の少しざらついた8ミリビデオから始まり(冒頭のブルーバックに白字のクレジット演出がとてもエモい)、2000年代に入ってデジタルハンディカムやiPhoneっぽい感じの映像になるというのも技術の進化と変遷を感じさせてとても良かったです。

ただ、基本“手持ちカメラで残した映像”という設定なので、序盤からカメラ揺れは超激しいです。苦手な人は大画面だと酔うかもしれないのでご注意を。



お話はマックスがそうやって撮りためてきた25年分の映像から、様々な出来事を我々観客とともに振り返っていく感じなのですが、映像を見ていれば一目瞭然で「マックスよ、お前エマの事大好きやろ・・・!」となります。
エマは幼馴染みグループの中の女の子なのですが、めちゃ可愛らしい。

見てる最中は常に「マックス!もっと素直になれよ!!!」「自分の気持ちをしっかり確かめろよ!!!」とひたすらにイライラ。笑


マックスが25年分の映像とともに振り返ってようやく見つけたもの、伏線というか過去の出来事も回収してるシーンにはキュンキュン(死語)でした!(そういえば「死語」という単語も今や死語らしい。なんと言えばいいのだ…)




この映画のように、映像として残されているものは巻き戻したりして後で見て懐かしんだりできるけど、決してやり直しはできないんだよなあ、、、といったように自分自身のあれこれを思い出したり…。
ビデオカメラで撮りためた青春時代を共に追体験するかのような108分。80年代前半生まれにはど真ん中かもな映画。面白かったです。


[2020-161]
けーすけ

けーすけ