いかえもん

ドクター・スリープ ディレクターズカットのいかえもんのレビュー・感想・評価

4.2
なんでか、私この映画好きなんですよ、とっても。それでですね、ディレクターズカット版も見たい!見たい!と思ってて買ってしまいました。
ディレクターズカット版のレビューを読む人はきっと通常版も観ていると思うので以下ネタバレでいきます。

内容はもちろんそんな大幅な変更などあるはずもなく、通常盤でも全然問題ないんですけど、アブラちゃんの能力について少々詳しめに紹介されているシーンが2か所追加されているのはわかりました。確かにこのシーンがあった方がアブラちゃんのすごさがより際立つので良いと思う。

通常版の時も含めて、この映画で私がすごいって思ったのは、そのストーリーのまとめ上げ方!キューブリックの映画とスティーブン・キングの原作はそれぞれ結末が違っているんですよ。だから、原作好きの人はキューブリック版には納得してない人もいるだろうし、キューブリックの映像美が好きな人もいるだろうし、いったいどういう風にこの二つの派閥が納得できる続編を作るのだろうと思っていたけど、こんなにきれいにまとめ上げてくる監督、すごいな!って思いました。

それと、この映画では俳優さんたちの演技力も際立っていて、ユアンがアルコール依存症に苦しみ、他の人にはないシャイニングという能力に苦しみながらも、ホスピスの当直として働く中で、自分の能力が誰かの役に立って自分自身の心も少しだけ癒される様子がとてもよいのです。それが後々、アブラちゃんを助けると決めたことで、ぐっと力を取り戻し強く優しくなって自らを投げうっていくというところにつながるんだと思うんですよね。
ユアンは笑顔がいい俳優だとは皆様ご存じかと思いますけども、この映画では笑顔が出てくるところが非常に少ないです。それだけにユアンの演技力の高さが際立つんですよね。彼は確かにハンサムではあるけれども、それだけでは決してなくて、演技力も非常に高い!!ということを私は熱烈に推したい!!!

この映画でもうひとつ好きなのはレベッカ・ファーガソンがめちゃくちゃうまいこと。美人でスタイルも抜群なのに、実はすんごい残虐で怖い。その美しさと狂気の同居する様子がオープニングの女の子に手品を見せるところからすでに漂ってくるのがすごい。あの舐めるようにじっと女の子を見つめながらゆっくりと話す様子が怖すぎです。

それと、これはディスク買ってメイキングを見て知ったんですけど、野球少年が襲われるめちゃくちゃ怖いシーンがあるんですが、この少年の演技がものすっごい上手いんですよね。彼の恐怖におびえる演技がすごくって、それだけにあの怪物集団の怖さが際立つ。この少年、なんと!「ルーム」の男の子、ジェイコブくんなのですよ!…ってあれ?今更?知らなかったの私だけ?さすが、あの演技力の高さ、末恐ろしいです。

ということで、私はこの映画やっぱり大好きで、また見ちゃうんだろうなと思います。ディスク買ってよかったな。