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インヘリタンスの3104Arataのレビュー・感想・評価

インヘリタンス(2020年製作の映画)
3.0
<22年05月>
【画的な動きが少な目。葛藤と秘密と展開がポイント?】
・2021年公開のアメリカのスリラー映画。
・大物銀行家で大資産家の父親が急逝してしまった娘ローレンが、父から託された遺言ビデオ。その中には「君の秘密基地の近くに託したい秘密がある。絶対に誰にも言うな」という趣旨のメッセージが。訪れてみると、その地下室に見ず知らずの男が監禁されていた(しかも30年も)。なぜこのようなことが起き、ローレンは今後、どうしていくべきなのか。  という大枠ストーリー。

[鑑賞のポイント]
・ローレンの家族構成(検事や政治家)が制約となって父によって監禁された男の存在を簡単には明るみにできない葛藤
・なぜ30年もの間、監禁する必要があったのか
・で、どうなるの?という展開。

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・私にとっては、鑑賞のポイントがみどころ、でした。ローレンの葛藤と、男の秘密と、その後の展開、が本作を観てドキドキするポイント。
・しかし、それ以外に関しては、あまり刺さったポイントはありませんでした。正直、個人的には「むむぅ…」と気になる流れが多かったです。

 * 序盤のテンポが遅い?
  - あえてゆっくり嚙みしめるように魅せる意図があるのか?と深読みするくらい、「会話のシーン」が多く、画的な進展が感じられずむずがゆさを覚えてしまいました。

 * ローレンの行動の根拠が共感しづらい?
  - ドラスティックに考えれば、「放っておいてもよいこと」をローレン自身が追求し始めて、勝手に翻弄されている、ように感じてしまいました。もちろん、弁護士になることを薦めた資産家の父に反発し、父と対立関係になる可能性の高い検事になったローレンの正義感が、その根拠となっていることは頭では理解できるのですが。ならむしろ、早く公にするべきでは?というこちらの葛藤が生まれました。笑

 * 王道な演出
  - あるものを掘り起こすときの物語の流れが王道過ぎて、お笑いでいうところの「これどうみたって美味しいわけないじゃん→うまっ!」みたいな。ブラックコメディにすら見えました。

 * 監禁されていた男の従順さが気持ちよい!
  - 30年も監禁されていた男モーガンは、心の底から外に行きたいと願うばかりに、不審に思うローレンに対して一切の裏切り行為をしない従順さ。これは、「何かある」と不審に思うこちら(鑑賞)側も安堵するといいますか、「めっちゃいいやつ!」と気持ちよくなってきます。この演出が肝ですね。

[全体]
・葛藤と秘密と展開、は基本的には面白く仕上がっていると思います。なので、「観るべきじゃなかった…」とは一切思いません。しかし、それ以外に関しては共感できる部分が少なく、物足りなさを感じてしまいました。
・逆に私が本作の本質的な面白さが理解できていないだけなのかもしれません。。。新たな発見のために、他の方のレビューもこの後、参考にしてみたいと思います。ありがとうございました。

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