高橋名人がスイカを16連打で叩き割る映像で余りにも有名な本作は、言ってしまえば今で言う所のゲーム実況動画に過ぎないのだが、この企画で短編とはいえ一本映画を撮ろうという時代の緩さというか、ロッキーっぽい演出も含めて良くも悪くも大らかな雰囲気を感じられて良い。ギャラリーの子供達が本当に真剣そうな表情なのがまた良し。
ルールは5本勝負で高橋・毛利両名人がひたすらゲームをするだけなので、後半はずっとゲーム画面になってしまい、時々名人の表情がカットで挿入される単純な絵面になってしまうのが難点だが、そもそもゲーム実況としてはこれが正しいんだろうな。むしろゲームをしている両名人よりも、実況解説をしている声優の飛田展男氏が真の主役といっていい。氏の熱い名調子を聞いているとただのSTGゲームでも大仰で緊迫した世紀の大決戦に見えてくるから不思議だ。
