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暁前の決断のmhのレビュー・感想・評価

暁前の決断(1951年製作の映画)
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捕虜にしたドイツ兵を、連合国側のスパイとしてドイツに送り込む話。
基本的にドイツ兵は信用できないんだけど、その中でもマシということで選ばれた好青年が主人公。ドイツ人でありながらドイツ軍に対して懐疑的であり、また機転が利く。立候補して選ばれるとテンポよく訓練をこなし、作戦を聞かされてパラシュートで降下する。
信用のおけない味方と、疑り深いドイツ兵などとのやりとりにも緊迫感があっていい感じ。医者の息子なので、医療の心得があってサスペンスを盛り上げる。
ラストはレマゲン鉄橋だった。
クライマックスの空爆シーンがド迫力で、1951年にはまだ存在していたドイツ国内の本物の廃墟を使って撮影している。CGでは再現不可能な画面密度ってあるよなぁとつくづく思う。撮影とかフィルムの状態がいいわけじゃないのにすごいよね。
「死んじゃったけどまあドイツ人だからいいか」というシニカルエンド。
同時に信頼の置けなかった同僚スパイがいいやつで、しっかりしていたアメリカ軍士官が冷酷な仕事人間だったという見え方の逆転も重ねている。
小粒だけど、見ごたえがすごかった。
そうか、「将軍たちの夜」の監督さんか。なら納得。
面白かった。
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