この物語は実話である。
基となる出来事はわずか数年前に同じ場所で起きたことである。
激しい戦禍跡の瓦礫の街が映像に残っており、現在のウクライナの戦禍の街と重なり辛く重い気分になる。
捕虜となったドイツの衛生兵がアメリカのスパイとなる話だが心の内の葛藤が幾度となく声となって現れる。
すべては戦争を早く終わらせ平和な世の中にという想いだが…
「ドイツが焼け野原になろうが心は痛まない」というアメリカ兵のセリフには戦争は善人も悪人に変貌させる怖さを感じた。
スパイ役のオスカー・ウェルナーの繊細な演技が素晴らしかった。