ふじこ

ベスト・オブ・メン〜人間の最高〜のふじこのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

人間の最高、ってなんか日本語おかしくない?字幕の漢字もなんかアレじゃない…?
とか思いつつ観てたらおかしくなかったし、普通によい映画だった。

大戦末期、主に脊椎損傷の負傷兵たちがいる病棟にドイツから亡命した専門医のグッドマンが派遣されてきて、鎮痛剤を投与されまくり、褥瘡(=床ずれ)に関するケアもなくただただ寝たきりで本を読んだりぼ~っとしたりして過ごす彼らの生活を徐々に変えていくお話。
そこから今では当たり前にやっているパラリンピックに繋がっていく。

最初はグッドマン医師の新しいやり方に反発して陰口を連発していた看護師や、褥瘡の予防と治療の為に夜中でも2時間おきに体位を変えさせられる事に文句ばっかり言っていた兵士たちが、やがて上体を起こせるようになり、社会に参加して税金を払うように発破をかけられたり、歩けるようになった他の兵士のようにはなれないと分かっても、独り立ちをして生きていきたいと前を向く様は普通に胸が熱くなる。

こんな事になるとは思ってなかった、と嘆くのは当然なんだけど、そのままただ薬に溺れて寝たきりで社会から見たら完全にもう死んだもの、と扱われたままでいるより、後半のスポーツに興じる姿の方がよっぽど楽しそうだし何を以てして”生きていると言えるのか”を考えさせられてしまう。

パラリンピックを推してたけれどそれは実質最後に急にやるって言って成功した一つであり、ほとんどの流れは当時の脊椎損傷患者の扱いだとか立ち直っていく様子に割かれている。
グッドマン医師がここを訪れなかったら、彼がそもそも存在していなかったら、現代社会はもっと彼らに厳しかったのか、そうでなくとももっともっと遅れていたんだろうなぁと思う。
ふじこ

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