Filmarksで21人しか観ていない…。
僕が22人目。
先ず、目を疑ったのが題字のフォントよ!!
MSゴシック!?会社のやつ!?
これ、映画を売り込む気ある!?
あと、ベスト・オブ・で改行したらダメでしょ!?
メンまで一行に入れられるでしょ!?
イケてない雰囲気がプンプンしているけれど、ご安心下さい。中身はイケてます!!
個人的に大好きな、スチュアート・リトルにそっくりな小さなおじさんことエディ・マーサン。エル・ファニングと同じく、この人は妖精じゃないかと最近確信している。
そして!!
「マローボーン家の掟」、「1917 命をかけた伝令」のジョージ・マッケイくんが出演ときたら、俄然観たくなるッ!!
1944年、第二次世界大戦中のイングランド。ストーク・マンデビル病院に運び込まれる負傷兵達は脊椎を損傷し、麻痺が残る彼らは皆寝たきりの状態。締め切られたカーテン。床擦れの痛みに呻く声。そこに派遣されてきたドイツ人医師ルートヴィヒ・グッドマン(エディ・マーサン)は、カーテンを開け、治療困難と見放された患者達に革新的なリハビリ施術を取り入れていく。
患者の中には上半身を起こす事が出来ない者も。
ウィリアム・ヒース二等兵(ジョージ・マッケイ)もまたその1人。生きる事に絶望し、「助けてくれ」と呻くだけ。
精神安定剤やモルヒネの投与で、死んでいる様に生きていた患者達。グッドマン医師は、看護師達に即座に投薬を止めさせる。24時間、交代制で患者達に寝返りをさせ、床擦れを防ぐ。
聖人君子の様なドクターかと言えばとんでもない。
キレる。
怒鳴る。
物に当たる。
しかし、脊椎治療に関しては名医であるグッドマンは、やがて患者達に生きる希望を与え、反発していた看護師達も彼の情熱に感化されていく。
グッドマンが彼らのリハビリに取り入れたのは、スポーツ。
これはパラリンピックの始まりを描いた実話に基づいた物語。
名バイプレイヤーでありながら、主演となっても確かな演技力を魅せるエディ・マーサンと、やがて車椅子に乗れるまでに回復し、歩けるまでには至らなくても、新しい人生を受け入れようと奮闘するジョージ・マッケイとの心の交流に、自然と涙が零れ落ちる。病室の患者達が、生き生きと輝く様な笑顔で、まさに「生き返る」様子が実に清々しい。
エンドロールで映し出される、パラリンピックに出場するアスリート達の姿。
腕がなくても
脚がなくても
スポーツに打ち込む彼らがただ美しくて。
欠けではない。
彼らは満たされている。
「人間の最高」が引き出される、スポーツの祭典。
2012年のパラリンピックには、147ヵ国の4,000人以上のアスリートが参加。その始まりを描いた本作は、紛れもなく掘り出し物の良作。