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7番房の奇跡のyokoのレビュー・感想・評価

7番房の奇跡(2019年製作の映画)
3.1
タイトルが良くない。「7番房の力技の等価交換」にするべき。

ガバガバなのがトルコの風土だからなのか、映画の質が低いからなのか判別つきにくいのがモヤみ。でも絵や、俳優一人一人の顔、表情はいい。ただ演技が上手いのとは違うが。

グリーンマイル、アイアムサムの声が大きいが、個人的にはミスティック・リバーとライフイズビューティフル。あの娘の父親の偉い軍人さんが唯一の悪役風に描かれるが、彼視点で言えば脱走兵が現れるまではどう考えてもこいつやろって思ってしまうのは無理はない。動機もあるし。忘れてはならないのは彼よりも刑務所にいるおじさんたちの方が極悪人なのだ。 

ミスティック・リバーでショーシャンクが連れ去られたのはそれは家が遠いからではなくつまるところ嘘をつく器量がなかったからだ、要は一番足りないと判断された。父親の立場にとって実際の真相を突き詰めることはどうでもよくて儀式として娘殺しの犯人をこの手で裁いたという事実が必要なのだ。前に進むために。まあショーンペンほどではないがそのキモみはちゃんと出てた。

子供のために優しい嘘を、ここは良い所、病気を治してるだけとうそぶくシーンはまあまあ泣ける。ライフイズビューティフルの力技にも通じる。

トルコはヨーロッパ、アジアの中間地点でいろんな文化が混ざり合う。だからこそイスラムも厳格になりすぎない寛容さがあるのかな。酒の入った菓子を黙って食わせたりしてたが(おそらく帽子をかぶってた男が一番経験なイスラム教徒という役割)より厳密な国なら洒落にならないだろう。色々ガバいのはその風土もあるのかなあ。

そもそも死んだランドセルの子がおっさんと二人で追いかけっこしたいと思うか?それが一番無理あるかなあ。それこそファンタジー、大人の考える美少女みたいでキモい。あの軍人一家はどう考えても金持ちで、持ち物とかもっと良いものを買い与えると思うし子供もハイジ欲しいかなあ?両者にだいぶ階級的な差があると思うが同じような場所をうろちょろしているのは疑問。

ナイフ使うならトイレで起きてる時じゃなくて寝た時襲えよ。雑すぎやろw

壁のシミが、おもひでの木のシーンにグラデーションのように変わるカットをオサレ感出してやってるのだがまあ全然オサレじゃないwなんか映画覚えたての学生が使いましたみたいなテクニック。

知的障害者、冤罪、美少女、おじさんたちの表情、この辺で騙されがちだがそもそも映画としてすごくない。泣けた泣けないで判断している人も多いがそういうこと関係なく映画としてすごくない。

でも力技を成立させる謎の説得力はあった




しかし奇跡じゃなく等価交換しただけだから〜!
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