芥川クリスピンクリスピアーノ

7番房の奇跡の芥川クリスピンクリスピアーノのネタバレレビュー・内容・結末

7番房の奇跡(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

主人公のメモは障害を持っていたが、誰よりも綺麗で純粋な心も持っていた。ある日、彼は家の近くの崖で軍の司令官の娘と遊んでいた。司令官の娘は足を滑らせ、崖から落ちて死んでしまった。自分の娘を失った司令官は怒り心頭し、メモが殺したとして無理やり彼を捕まえさせた。そしてメモが収監されたのは7番房であった。そこの囚人は彼が幼い女の子を殺したと聞き、全身を骨折させた。だが、それでもメモは彼らを憎むことはなかった。純粋な気持ちを顔や言葉で正直にうつしだすメモの姿を見て同じ7番房の囚人たちは、彼を仲間として迎え、自らの罪を見つめ直し、改心するにまで変化していく。彼はまた誰よりも娘を愛する人であった。そしてその愛は、娘を失い、泣いた司令官にも、それぞれ罪を犯した7番房の囚人たちの心の中にもあるものであった。物語は最後、絞首刑が決まっていたメモの代わりにある囚人が刑を身代わりすることにより、メモは娘、オヴァとの再会を果たすというハッピーエンドになっている。
権力を持ちそれを振りかざす司令官、罪を犯した囚人たち、そして障害者であるメモ。すべての人の心の中に愛は存在する。
そしてその愛こそ最も純粋で綺麗なものであり、私たちを変化させてくれるものなのかもしれない。