小学生の頃、日本映画専門チャンネルで初めて出会った初クレージー映画。それまで、東宝特撮映画しか知らなかった僕に、クレージーキャッツを教えてくれただけではなく、同時代の日本映画一般にも視野を広げさせてくれた。
DVDを買って、実に10数年ぶりに再見すると、クレージー映画の中でもかなり異色の作品だと気づく。植木等を通してみた昭和史の裏面。「お国のために死んでこい」「日本帝国の再建のため」などと大まじめに言っていた序盤から、どんどん同じ台詞でもフマジメに聞こえてくるから不思議。「ハラキリショー」も不謹慎。最後は「再軍備賛成！」と叫ぶハナ肇に国会の大乱闘で締めくくられる。結局、戦後日本人の節操のなさ、思想のなさを笑い飛ばしてみているような気がする。
さて、焼け跡のセットなど、映像面はすこぶる充実。プログラムピクチャーにしては豪華な感じがする。主題歌の「こりゃまた結構」も楽しくて結構な感じです。
同時代の日本人はどう見ていたのだろうか。
