オーウェン

警官ギャングのオーウェンのレビュー・感想・評価

警官ギャング(1973年製作の映画)
4.0
この映画「警官ギャング」は、まさか警官が制服のままで強盗はしないだろう、という通念を逆手にとって、警官が実はギャング、しかも詐欺師だったという仰天の物語だ。

ドナルド・E・ウェストレイクが映画用に書き下ろしたプロットがあまりに面白かったので、出版社が小説化を希望し、そして映画化の際にも、彼自身が脚本を担当したらしい。

自作の映像化とあって、ウェストレイクも相当気合が入っているらしく、細かいところまで、よくセリフが練られていると思う。

そして、製作者がミステリを愛好するエリオット・カストナーだけあって、クオリティの高いミステリ映画に仕上がっていると思う。

アラム・アヴァキアンの演出も、無理にコメディ・タッチにはせず、主人公たちの犯罪行為をシリアスに描くことで、逆にブラックな味わいを狙うなど、洗練された大人の暗黒映画といった趣になっていると思う。
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