ギルド

四十二番街のギルドのレビュー・感想・評価

四十二番街(1933年製作の映画)
3.4
【ミュージカルの礎を垣間見るラスト15分】
主役女優の怪我で唐突に主役をやる事になった女性を捉えたミュージカル映画。

長編映画で最古参作品を更新しました!
当時の映画ではOPにクレジットがある映画が殆どだと思いますが、この映画は登場人物はこうですよ〜と紹介していてどこか丁寧な印象がありました。

この映画はミュージカル映画の裏側を描いて一発逆転を目指した「プリティ・レディ」のミュージカルを成功しようとする話で、当時の華やかなスターの生活や練習風景に思い通りにいかない現代の中で「希望」を見出す人間ドラマが多めでした。

練習風景でのジュリアン・マーシュの演技がどこかセッションのテレンス・フィッチャーに似ていてオマージュ元なのかな?と思ったり、唐突に知らないおじさんに殴られる時の棒読み/赤ちゃんパンチ感は笑ってしまいました(笑)
とはいえ思い通りにならない不条理さで似たりよったりなシーンが多かったり、キスしたら猛烈に演技が上手くいったり…と展開が爆速じみててドラマのカタルシスはそんなに感じなかったかな。
何よりも主人公のペギーと元主役のドロシーの顔がとにかく似てて、最初「どっちの話してるんだ?」と軽く混乱もして、全体的に淡々とストーリー進んでるなー感は否めなかったです。
(既視感あるストーリーも恐らく、昨今の映画のオマージュ元だからかもしれませんが…)

とはいえラスト15分のミュージカルシーンは白眉で、バークレイ・ショッを始めとした演出は今見てもビックリする絵面でこの作品の華やかな象徴をも感じさせる作りだなーと感じました。ラストに面白さが一気に詰まってジェットコースターのように進む…的な。

当時の映画スタイルを知れるだけでなく、ミュージカルの歴史を知る意味で意義のあった作品なのでそういった意味で見るのもアリではないでしょうか?
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