囚人13号

四十二番街の囚人13号のレビュー・感想・評価

四十二番街(1933年製作の映画)
4.5
所謂バックステージものだが、それにしても色褪せないな。

クライマックスが一番盛り上がるのだがそれまでの過程も前戯に終わらず十分ドラマチックで、スターを夢見てやって来る女性は山ほどいるがその殆どがオーディションで落とされてしまう世界。運良く通過できたとしても、過酷な練習に耐えねばならない。日々主役の座を奪い合う女たちの啀み合いと友情云々が搾取に偏ってもいないのが好印象。

そしてクライマックスのバークレーショット、前衛映画みたいだが客席からは見えない視点という意味では映画の特権と呼んで差し支えない。途轍もなくエネルギッシュな画面連鎖を目にしている瞬間、世界恐慌は消えていたのではないか。現実逃避万歳、これこそ映画の力だ。
舞台監督の「スターになって戻って来い」がカッコよすぎ!
囚人13号

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