--一緒に飯食えば大体仲直りよ--
料理漫画は世相を映す鏡のようなものです。
80年代の美味しんぼは、主人公が飯を作る訳でもなく、とにかく料理、食材に対しての蘊蓄をかましまくり、最終的に食と関係のないことまで批判して炎上したりしてるわけですが、外食産業の隆盛だったりバブル時代の好景気も相まって、グルメというものに大衆が興味を持ち始めたタイミングだからこそ出てきた作品なのかなと。
そこから2000年代に入ると、至高の料理と究極の料理のなんやかんやみたいな話はなくなり、ジャンルの細分化が進み、家庭料理や低価格帯の料理を題材にした作品が流行り始めました。
世相を反映している、という点で家庭料理がメインストリームに来るのはなんとも悲しい話ですが、今日の飯系漫画ブームの走りが今作「きのう何食べた?」だと思っていて。
漫画自体はちょくちょく読んでたのですが、ドラマ化のことは知らなくて、試しにネトフリで観てみたらどハマり。
そのままの勢いで映画館に行ったのですが感想書き忘れてたので見直してみました。
良くも悪くも、ドラマの延長に金払って観てるだけで、映画かと言われるとちょっと微妙。普通に面白いけど。
3つくらいの軸が中心となって話を展開していくので、忙しなさでいえば映画っぽいっちゃぽいけど、逆にこの作品のゆったりとした感覚を損なってる印象もありました。
どうせ2時間あるなら、話の軸絞ってドラマ版をより丁寧にしたような作りでもいいのでは?とも思いつつ、それはそれでめちゃくちゃ退屈そうなので、この手の作品の映画化って想像以上に難しいのかもしれないですね。
とはいえ、突然海外に行くような、スタッフの慰安旅行と特番を合わせたような作品でなかっただけよかったのかもしれない。