紫のみなと

劇場版 きのう何食べた?の紫のみなとのレビュー・感想・評価

劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)
4.3
普段、ドラマはおろかテレビ自体ほとんど観ないのですが、本作のドラマ版はお料理の場面の評判が高いのと、好きな西島秀俊が出ているのでAmazonプライムで一気に観たところ、このドラマの世界観にすっかりはまってしまいました。
ドラマの映画版となると、大袈裟で大味になるイメージがありますが、本作はドラマ版にたがわぬあたたかな世界。

この映画(とドラマ)を観ていると、好きな人に好きと伝えること、美味しいものを美味しいと口にすることが、市井に生きる何者でもない我々にとって、どれほどシンプルでいて尊いことかを感じさせてくれます。
幸せは自分の心の持ち様次第やんか!と、日頃の自分を反省。相手を幸せにするのも自分次第なんですね。

シロさんはクールな弁護士で料理上手で女からもキャッ!って言われるイケおじだけれど、ケンジの素直さにどれほど人生を教えられ、救われているか。ほんとに、中年のケンジが可憐すぎる…

そしてシロさんの作るお料理のレシピの半分は顆粒だしと麺つゆでまかなわれるのですが、実際私もシロさんのレシピでいくつか作ってみたのですが、どれもすごく美味しい‼︎

そして今回、いかにも映画らしく京都ロケが。
京都はピーク時には年に5回くらい旅行していた、個人的に偏愛する街。
さらにエンディング、そういえば主題歌スピッツだった!
スピッツファン歴がもうすぐ30年になる自分…(この曲はリリース当時そんなにハマらなくてあまり聴き込んでないのですが…)エンドロールのきわめつけのスピッツにもう…

泣いたり笑ったり、個人的に大好きなものばかり詰め込まれた2時間。
君の大好きなものなら僕も多分明日には好き、って草野マサムネが歌うやさしい歌詞のようなしみじみとした幸福感でもう微笑みっぱなし、胸いっぱいになりました。