七沖

ゴーストバスターズ エクステンデッド・エディションの七沖のレビュー・感想・評価

4.3
〝この夏 バスター開始!〟
夏と言えばオバケ。公開季節に合わせたキャッチコピー。
公開時に劇場で観たが、せっかくなので今回はエクステンデッド版を観賞。

大学の終身雇用のジャッジを控えたエリンは、若い時に悪友アビーと共著したオバケ本が未だに販売されていることを知る。このままでは大学に悪印象を持たれかねないと危惧したエリンはアビーの元を訪れるが、折しもそこにオバケ目撃情報が…というストーリー。

これはかなり面白かった!
あまり過去作に思い入れがないというのもあるが、現代のCGで表現されたゴーストたち、日陰者の女性たちによるチーム結成、男性秘書の想像を絶するおバカ具合、どれも楽しめた。
過去作のメインメンバー達が別キャラとしてちょい出するのもいい感じだ。
何気に冒頭の古屋敷はシリーズ随一の怖さだが、ゴーストバスターズのイントロが劇伴で流れ始めると途端に安心してしまう。これがテーマ曲の魔法か…!

いつ観ても、タイムズスクエア前でオバケ相手に無双するホルツマンはズルい!
ゴーストバスターズの面々は、過去作以上に5人のキャラが際立っていると感じた。

エリン……超真面目だが、一番雰囲気やノリに流されやすく、思い込んだら一直線。現実世界にいたら一番損をしそう。男の趣味が残念。
アビー……オバケオタクで、チームの推進役。トラブルが起こるのはだいたいコイツの行動力のせい。デリバリーのワンタンに並々ならぬ執着を見せる。
ホルツマン……チームきっての変人。アビーとセットで行動させると手に負えない。行動は予測不可能だが超いい奴。この映画がヒットしていたら単独スピンオフも可能な程のキャラ立ち。
パティ……コイツが一番まともな感性を持っているが、チームの暴走は止められず、泣き叫びながらついてくるのがお決まりのポジション。平手打ちの威力はゴーストすら追い払う。
ケヴィン……空前のバカ。

今回エクステンデッド版で観た最大の収穫は、クリヘムが演じるケヴィンのダンスをより楽しめたことだ。悪霊に憑かれたケヴィンが、自分が行うダンスを州兵たちに強制的させるコミカルな場面だが、公開時は最後の決めポーズだけで終わらされてしまい、あとはエンドロールでダイジェストをお楽しみください…という感じだった。
だが、今作ではケヴィンが州兵たちをダンスでおちょくる様子を存分に堪能できた。
いやこれ、絶対劇場公開バージョンでも削っちゃダメなお楽しみシーンだったよね⁉︎むしろ他のシーンを削ってでも残すべきシーンだ。
エクステンデッド版を観たことで、劇場公開版の違和感をようやく払拭することができた。

日陰を歩いてきたオタクたちの人生逆転物語でもあり、友情物語でもある。
観賞後の雰囲気も爽やかで、誰にでも勧められる映画だと思う。
できれば続編作って欲しいな…。
七沖

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