近本光司

The Musketeers of Pig Alle(原題)の近本光司のレビュー・感想・評価

4.0
レンガの壁に張り付いた二人のギャングたちがゆっくりとカメラに近づいてくる。あんなショットが111年前に撮られていたなんて、すごすぎて腰を抜かすかと思った。序盤で椅子に座ってぶつくさと言っていた老婆がそのまま心臓発作で死んでしまって、しばらくしてから老婆が座っていたはずの椅子だけがおなじ画面に配置されているショットの不気味。原初の映画体験とはなによりもまず驚きなのだということを思い知らされる。Cinema du Réel でジャン=ピエール・ゴランが白紙委任状を受けて選んだ作品。