龍馬

護られなかった者たちへの龍馬のレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
4.0
祝!清原果耶ちゃんが助演女優賞受賞!

蓋を開ければ2022年日本アカデミー賞は『ドライブ・マイ・カー』が主要部門を含む8部門で受賞し圧勝!

東日本大震災後の復興が進む仙台で発生した連続殺人事件を巡り、日本の生活保護制度の欠陥を描いてたミステリーです。

その中でも保険福祉センターで働くケースワーカーを演じた清原果耶ちゃんが一死を報いた。

NHKの朝ドラ『おかえりモネ』『なつぞら』そして只今放映中にの『ファイトソング』とは全く正反対の暗い役で、さらに実年齢より上の設定役を見事に演じきっています。

19歳で、幅の広い演技力は今後、凄い役者になる予感がプンプンし瀬々敬久監督を唸らしたのも納得。

残念だったのは、連続殺人事件の容疑者を演じた佐藤健。
主演男優賞を西島秀俊に持っていかれたが、運が悪かったしか言いようがないほど、あの迫真の演技は今でも忘れない。

阿部寛は、佐藤健の迫力が勝り影が薄かったのでこの結果は仕方がないでしょう。『DCU』もなんかイマイチだし、好きな俳優なので頑張って欲しい。

震災後も苦しい生活から生活保護を求める人々が増えており、ところが申請上のトラブルが、かなり発生しているそうです。

つまりコロナの給付金と同じように、我々が払っている税金を本来必要としている方に渡っていなく、法の裏をかいた者が堂々と受け取っているわけです。

それを上手くミステリーを絡めながら瀬々監督らしく重たいタッチで描いており、お涙頂戴の演出とか、音楽で盛り上げるような大きな感動とかではなく、胸が痛くなる記憶に残る作品でした。
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