あお

護られなかった者たちへのあおのレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
4.8
良作との評判を知った上で、まずは俳優・佐藤健が見たくて。期待に違わず、難しい役柄の丁寧な作り込み。「ひとよ」と少し被るけど、こちらのほうが(登場時間も長いし)堪能できますね。脇を固める清原果耶や林遣都の演技も良く、物語に集中できた。

時系列がわりと小刻みに入り混ざる複雑な構成だが、状況から判断できるからか追いていかれることはなく、話が少しずつ繋がりながら膨らんでいく。不思議な織物のよう。
震災渦中の現場や家族の形に、序盤から最後まで10分に1回くらい泣かされた。

生活保護の原理原則と、それをとりまく関係者についても終始考えさせられる。たまに不自然な説明台詞が入るけど致し方なしか。

ラストシーンにまさかのもう1ストーリーあって驚いた。なんか複雑だけど…阿部さんの表情がたまらない。

余談ですが、東日本大震災という、今の世代の全日本人に共通する悲しい経験を暗黙に使える時代も、そろそろ終わりが見えてきますね…。

さらに余談、阿部寛さんの口から出る「かんちゃん」に毎回萌えますw
あお

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