法月

護られなかった者たちへの法月のネタバレレビュー・内容・結末

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

自分の苦手な瀬々敬久監督作品。
苦手というか、観終わった後、ついなんか言いたくなってしまう作風なんだよね。社会派なんだけど、世界の見方が偏りすぎてないか?って思いがある...

3.11 津波後の避難所の様子、瓦礫にまみれた街、リアルだなと思った。
佐藤建がいい。津波で全てを失った青年。いや、そもそもわずかなものしか持ってなかった弱者男性。やけっぱちの野良犬...
そもそも母子家庭、たった一人の大切な肉親、母親を失い天涯孤独になってしまった少女...
そもそも独居老人、「私が生き残った意味あるのかね?」そう呟く老婆...
そんな世間から弾かれた者、護られなかった三人が作る疑似家族。泣かせる。こういうのに弱い。とても弱いんだよ。

中盤あたりから「もしかしてあの子が? けど、女の力じゃ無理じゃね??」と思いながら観てた。悲しい予想が当たってしまった。やりきれない、とてもやりきれない結末...


阿部寛は刑事役がよく似合う。板につきすぎなくらいだ。
けど、この役、「新参者」の加賀恭一郎とどこが違うんだろ?
笑顔見せない、ユーモアが足りないぐらいじゃない?
まぁいいけど。

円山幹子(清原果耶)が保健福祉センターの職に就いたのは、復讐する相手に近づくためだよね?
けど、幹子自身が生活保護受給者、申請者たちと触れ合う間に心変わりはしなかったのかな? 自身も福祉に関わる職員の理想と現実を知ったはずなのにな。
その点が一番ひっかかった。

自己責任って言葉は自分も嫌い。
ずっと税金納めてきたんじゃん、国って機能が回るためにさ。
自分が働けない状況に陥った、頼れる者もいない、どうしようもなくなった時、その国に護ってもらうのって当然じゃん。
恥じることなんかないよ。
千原せいじ(がやってた役)みたいな不正受給者はサイテーだけどね( `ー´)ノ

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