Morohashi

護られなかった者たちへのMorohashiのレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
2.5
正直見ていてイライラしてきた。
結局みんな言うべきことを言わずに「だれかわかってくれるでしょう」という他力本願に終始していて、なんならどこかでそれを仕方ない、あるいは声を上げないことを美徳として捉えている風潮が見えたから。

そもそも日本人は声を上げなさすぎ。
「こんなに私は苦しんでいる」「こんなに私はがんばっている」ということを、誰かが陰ながら見ていて、それを認めて世間に伝えてくれるなんて甘すぎる。
苦しんでいる、がんばっているならばもっと自分でアピールすべき。

そして誰も見てくれないからとふて腐れて実力行使するのはちょっと違う。逆恨みや八つ当たりもいいとこ。
行政が守りきれていない事案は多くあるし、そういう人が大声でなくても助けを求めることは大切。


そして一方で、苦しんでいる人が救われないシステムにも大きな問題がある。
なんでもかんでもまずは「気をつける」「配慮する」という精神論で入ろうとするのは悪い癖。気をつけることを増やすにも限界がある。人間だから。
この映画みたいなケースだと必ず議論になるのが「不正受給が…」っていう指摘だけれど、そもそも受益者が手札を隠した状態で申請できちゃうことが問題なのであり、誰がなにをやっていて、どう困っているのかを把握できればいいだけの話。
たしかにそれは監視社会を生むだろうけれど、スピーディーな運営のためには仕方のないこと。

日本はこういうシステムづくりが本当に下手で時間がかかりすぎるっていうことをしっかりと認識すべき。
Morohashi

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