リトルブラザー

護られなかった者たちへのリトルブラザーのレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
4.6
「震災は怪物」という言葉の重さ。自分は震災当時小1で、岩手県の内陸部に住んでたから沿岸の人々に比べれば大きな被害は無かったんだが、避難所とか余震とか停電・断水とか放射線とか、本当に色々なことがあった。そして本作冒頭にも描かれていた電気の消えた町の頭上に輝く星空。震災は、被災規模の大小に関わらず多くの人の人生を狂わせたんだと思う。それは日本の福祉政策が抱えた歪みも同じ。で、そんな社会状況を、それによる人々の心の荒廃を、本作は見事に描写している。ずしりと重い傑作だった。
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