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護られなかった者たちへのeryuのネタバレレビュー・内容・結末

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

●観客視点
 震災をテーマにした作品を初めて見た。震災で生活が一変した人たちのリアルがきっとそこにはあった。なんで自分が生きてるんだろう?これからどうすればいいの?気力が湧かない、目の前に光がない、きっと被災した方々はポジティブな感情になんかなれなかったと思う。それでも繋がりを見つけてそこを希望にして生きてきた人たちにとって、その繋がりを消してくる者にはとてつもない怒りが湧き上がるんだろうと感じた。
 行政に護られなかった者たちが今回のテーマとされていたけれど、様々なものに護られなかった者たちへ声をあげる大切さを最後に伝えていたシーンに1番この映画が伝えたかったことが詰まっていると感じた。

◯かんちゃん(清原果耶さん)
助演女優賞を受賞した理由が伝わった気がする。場面によって違う意味を持つ涙が、きっと脚本通り観客に伝わっていたことが衝撃だった。大切な人を失った辛い過去を持ち、辛い経験をしてきたかんちゃんを演じる覚悟を持っていたのだと思った。どんな役であれ、演じる覚悟は必要なものだと思うけれど、自分自身が見えなくなってもいいという覚悟も必要になる時が来るんだと思う。
その時に備えて、いつでも準備と覚悟を持っていないといけない。

●脚本
 自分が困った時に声をあげる大切さ、誰かに迷惑をかけるんじゃないかとか誰かのことを考える前に自分のために声をあげる必要があること。声をあげることで助けてくれる人が現れるかもしれない、声をあげないとその可能性すら見えないことを強く感じた。
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