ばんばん

PIG ピッグのばんばんのネタバレレビュー・内容・結末

PIG ピッグ(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「思ってもみなかった結末」という感想を得るためにスリラーなんてジャンル違いの紹介を、わざわざしているようでいやだなあ。

ロブは、はたからみれば一線を引いた負け犬なのかもしれないけど、妻を想い、思い出と共にいた豚を愛して山で自分のしたいことだけをしている姿は納得がいくし、とてもかっこいい。シェフしていたら、妻との思い出に浸れないものね…。
街の評判のレストランのシェフ、デレクへの忠言のシーンもすごかった。成功したはずのデレクの泣き笑いの姿も哀しくて胸が痛くなる。

それはそれとして、トリュフ業界のドンである親父がクソクソのクソで青年が気の毒でならなかった。
ロブの豚を盗ませたのも息子の商売の道を断つ為で、奴は才能がないって言ったがいやいやいや…あんたが邪魔してんじゃん!
まあ、トリュフを扱うというだけではなくて金を出してスポンサーになり業界を牛耳るという辺りの才能はないのかもだけど。
街の飲食業界で幅を利かせているのも、息子を抑え付けるのも妻を自殺に追いやったのも全て自分だけ、自分の力を誇示したい異常なエゴの結果ではないか。

ロブの料理を食べあの夜を思い出し、豚が死んでしまった、と白状するに至ったけど、結局豚を死なせたならず者たちを放置したままなんだろうというところが後味わる…。
息子は商売を続けるようなので、犯罪までしてやめさせようとはしなくなるのかもしれない、そうであってほしいとは思うが、街一番のレストランのシェフ、デレクは彼に繋がれたままなんだろうかとかモヤモヤは尽きない。

あと汚いままで調理はしないだろ…髪の毛と髭は絶対まとめるだろとか余計な雑念がはいってしまった。
ばんばん

ばんばん