リービングラスベガス」や「天使のくれた時間」など良作に出演していたニコケイだが最近はB級アクション娯楽作品に出まくっていてどうやら借金が原因のようだ。
オレゴンの山奥のポツンと一軒家で風呂もなくホームレスのような生活をしているニコケイ、トリュフを獲る豚を誘拐されて復讐に燃え、残り少ない髪の毛をおっ立てて無双となるいつものアクション娯楽作品ではなく。
「美味しんぼ」だった。
豚を取り戻すために街に戻るが彼は実は有名なシェフだった…。
ニコケイは最近の雑な演技ではなく、セリフの少ない深い演技をしてこの静かな映画にはなくてはならない役をこなした。
一緒に豚を探す羽目になる黄色いカマロを乗り回す毎週木曜日にトリュフを買いに来る若いビジネスマンもいい役だった。
山岡士郎に敵対するその父親の海原雄山も出てきて料理を食べるシーンなどは思わず笑ってしまった。
と言っても決して笑うような映画ではなく全編通して美しいカメラとカーラジオからのクラッシックミュージックに包まれた深く美しい映画だった。
マッシュルームをスライスして小麦粉の合わせていく料理のシーンや森、川で顔を洗うシーンなど印象的なカットの多い素敵な映画だった。
ニコケイ様、これを機にB級娯楽作品はもう辞めてもいいのでは…。
