映画好きの柴犬

君が世界のはじまりの映画好きの柴犬のレビュー・感想・評価

君が世界のはじまり(2020年製作の映画)
3.7
その呼び方をしていいのは、君だけ

 人に言えない恋心や、親との微妙な関係を抱えた高校生が、忍び込んだ深夜のショッピングモールで想いを爆発させる、青春群像劇。

 原作はふくだももこ監督の2本の短編小説。それゆえ、二つのグループの話が並行して進んで最後に合流する形なんだけど、あまり相乗効果は出てないかな。全体にテーマやストーリーに既視感があって、嫌いじゃないし悪くはないけど、ここがいいというところを挙げづらい感じ。ただ、ブルーハーツの楽曲の使い方は、ちょっとドキッとさせてうまいなあと思った。

 でも、演者たちは総じて良かった。彼らのおかげで物語にリアリティが生まれてた感じがある。中田青渚、片岡友希、小室ぺいが印象的。

 ちなみに、ロケ地のショッピングモールは宇都宮市にあって、何度か行ったことがあったので、大阪が舞台っていうのがなんかピンと来なかった。