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The Other Lamb(原題)
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『The Other Lamb(原題)』に投稿された感想・評価

[ミソジニックなカルト集団のお伽噺、或いは『ウィッチ』の失敗翻案] 40点

"羊飼い"と呼ばれる男を中心にした女性だけの狂信的なカルト集団"フロック"の物語である。青いドレスを着た"娘たち"と赤いドレスを着た"妻たち"に分けられた女性信者たちは、森の中で原始的な生活をしながら儀式と信仰に精を出し、改造したキャンピングトレーラーで暮らしている。"娘たち"の一人サラも狂信的な信者であるが、異端信者の檻を訪問し、初潮やそれに伴う寵愛の格上げ(つまり"妻たち"になる)などを経験することで、"羊飼い"の言葉を信じられなくなっていく。彼の投げかける薄っぺらい言葉は決してパワーで捻じ伏せるタイプではないし、フロックから離反する者は追わないという新興宗教にあるまじき圧倒的ヌルさを誇っている。それでも、信じて疑わないのが子供時代に受けた洗脳の恐ろしさの所以だろう。

本作品は子供から大人に変わり、世界へ疑問の目線を投げかける少女の視点から、男性優位社会や家父長制を寓話的に描いている。"自身に何が起っているのか"という内面の変化、そしてそれに伴う周りの人間の対応の変化によって、自分のいる環境について自問自答を繰り返し、違和感を募らせていく。そんな彼女が出会う、異端者として檻に囚われている元"妻たち"の女性は"逃げられたが怖かった、自分が何者であるかも忘れてしまった"と答えるなど、抑圧され続けた女性たちの歴史を体現する。ただ、ここまでキャラクターが揃っているのに、森という絶好のロケーションをただの背景に使っている画面構成はあんまり上手くないし、にじり寄るようなショット、レンズフレアなどを多用する割に、精神的な暴力や支配に対する恐怖で観客の心を抉るには断片的すぎて逆に困惑する。全体的に"美しい自然を背景にした立ち上がる女性たちのプロモーションビデオ"という感じで、そんな枠組みすら超えられず、寓話と現実の間をウロウロしている。最終的に煙に巻くようなラストもセンスなさすぎて閉口。中途半端に『ウィッチ』をやろうとして失敗した亜流の典型といった印象。

あと、移動中の衣装がバラバラなのも気になった。カルトってそういう"形"みたいなとこ一番気にすると思うんだが。この映画は全体的に詰めが甘すぎる。映像だけ小綺麗にはしたものの、内容も薄すぎるしショットもチャラいだけ。失望しました。
GreenT

GreenTの感想・評価

2.0
カルト教団の中で生まれ育ったセラ(ラフィー・キャシディ)が、教祖(シェパード)に逆らうって話です。

なんかこの教団は山奥に住んでいて、全て自給自足。教祖の妻たちは赤い服、娘たちは青い服を着ているのですが、素朴な衣装がすごい可愛いです。

日本で言えばオウムだし、テキサスのWaco とか、カルト教団と言えば男の教祖が女性を搾取するって図式が多く、この映画もその中で生まれ育った娘がだんだん「おかしい」と思い始めていくところを描いているのですが、ステレオタイプ的なエピソードばかりでつまらない。

だいたい、この教祖様40歳くらい?セラの父親になるには若過ぎん?!

若い娘は生理になると「穢れている」って言われるとか、妻たちはトシを取ると邪見に扱われるとか、設定が当たり前過ぎてつまらない。けど、山奥で自給自足で生活していて、食べ物とか洋服とか、足りてるとはとても思えない。

映像はきれいなので、写真集的な良さはあるけど、何も起こらないしなあ。まあお暇なら・・・
つまんな。