Blake1757

リンダ リンダ リンダのBlake1757のレビュー・感想・評価

リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)
3.5
序盤の四人の下校シーン(歩いてるとこ)の空気感、そして終盤の縦一列で4人が土手を歩くシーン、そこから続く夜の文化祭会場から体育館のステージまでのモンタージュがすごくよかった。長回し中心のキャメラも好きなタイプ。
直接的なオマージュではないかもしれないが、相米慎二の「翔んだカップル」と「台風クラブ」と同じ匂いを感じた。「モグラ叩き」からの「夜の体育館ステージ」への流れ。
物語的には、サブプロット(というかエピソードといった方がいいのか?)がちょっと多い気はしたので、ボーカル(ペ・ドゥナ)とギター(香椎由宇)の二人に絞った方が、よりシャープなドラマになったような気はするけど、一種の群像劇ととらえるならば、これはこれでアリだろう。全体的には好きなタイプの映画だった。
あと、劇伴がとてもいいなあと思ってたら、The Smashing PumpkinsのギターのJames Ihaだそうだし、エンドロールに、本家のあの歌をもってくるのは、チート級の反則(笑)。
部室のポスターに貼ってあったイースタンユース「旅路二季節ガ燃エ落チル」のポスター(画・佐伯祐三)も好みだし、ロック好きがよろこぶ小ネタもいっぱいで楽しい。
登場人物に「大江一也」って男子がいて、文化祭の模擬店のクラブ(DJがいる方のクラブ)の名前が「VENUS」で、あれはルーターズの大江慎也つながりかなあ。山下敦弘はTheピーズの唄を題材にした短編(『実験4号』)も撮ってるし、80年代の日本のロックには造詣が深そうだから、ひょっとしたらひょっとしたかも。
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