ゑぎ

穴の牙のゑぎのレビュー・感想・評価

穴の牙(1979年製作の映画)
3.0
 フジテレビ系列で放送されたドラマ「日曜恐怖シリーズ」の一篇(1979年9月放送)。開巻はオフで銃声がし、頭部レントゲン写真に穴が開いて、血が噴き出るショット。続いてバーのカウンター。原田芳雄がホステスを口説いている。新聞に載ったの知ってるだろ、お前に会いたくなった、今からホテルへ、云々。このくどかれている女優が稲川順子(小川よりこ)。本作のヒロインだが、なかなかいい女優だと思った。そこに藤田まことが現れ、原田を銃撃する。原田は店の内装のステンドグラスに突っ込み、頭部から血が噴き出し、稲川の胸にかかる。こゝまでを、あっという間に見せるのだ。

 医者が、原田のこめかみに入った弾が、脳を3周して同じ穴から出たと云う。しかも、まだ生きてると。稲川もショックを受けて同じ病院に入院していて、手前に藤田、奥に稲川がベッドに寝ている場面がある。稲川は裸。2人、寝ながら変な動き。そして稲川の後ろに原田のストレッチャーがスーッと現れ、原田の死が表現されるという、もうやりたい放題の演出だ。

 さて、稲川は、何度も胸を見せるのだが、彼女の唇のアップで電話をするショットでは、唇もとても美しいと思う。ただし、このシーンの声は原田になるという演出。その他、画面に黒子を登場させて、障子を開け閉めさせる演出だとかもあり。まったくシュール極まりない。エンディングまでこんな調子で、よくこれをプロデューサーが許したな、と思わせるものなのだ。面白いが、呆れてしまう。
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