たいてぃー

ホテルローヤルのたいてぃーのレビュー・感想・評価

ホテルローヤル(2020年製作の映画)
3.6
武正晴監督作。最近、公開作が多い。「アンダードッグ」が観れていない。秀作のようだが。
ストーリーは、ラブホであるホテルローヤルに関わる女性たちの群像劇🏨。
冒頭は、ヌード撮影シーンから。冨手麻妙が演じる。「アンチポルノ」や「娼年」での演技が印象的だったが、かなり大人っぽくなってて、誰が演じてるのか分からなかった。現在のホテルローヤルの実情紹介って、要素が強いけど、カメラマンとの絡みも妙に生々しい。
そして、ホテルローヤルの繁盛期の従業員ミコちゃん(余貴美子)、女将るり子(夏川結衣)の人生模様も描く。ミコちゃんの母親役で、友近が出てくる(ミコの少女期)。リアカーが似合ってるね。
ホテルの客で中年夫婦が登場。奥さん役に内田慈。旦那と二人きりで幸福感満載。会話の内容や仕草が、何とも愛らしい。これ以降のシーンにもこの夫婦を登場させてる、この演出が心にくい。
その次は、高校生と先生のコンビ。高校生役に伊藤沙莉。ちょっと無理があるなあって見てたけど、そのうちそれらしく見えてくる。キャバ嬢のものまねするけど、たどたどしさもあり、いじらしい。二人の会話は、最初は漫才的だが、次第にシリアスになる。この流れがいい。
このホテルの娘の雅代(波瑠)。積年の想いを遂げようとするが、結局は・・・。人生をリスタートする決意に満ちた表情が清々しい。
もう一人、若き日のるり子(玉田志織)。旦那に頼る健気さが、可愛らしい。箱入りのみかんがいいアイテム。
女性ばかり上げたが、男性陣もそれぞれにいろんなものを抱えていて、うまいこと演じてる。
ラブホって特殊な舞台で、これ程の物語を描いちゃうのは、ほんと驚き。原作者の桜木紫乃の実家がラブホとのこと。なるほど。清水友佳子の脚本の良さも効いてるんだろうね。