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ホテルローヤルのutataneのレビュー・感想・評価

ホテルローヤル(2020年製作の映画)
2.7
時代の移り変わりを眺めて来たさびれた看板は、非日常へのアイコン。

そのノスタルジックな佇まいは、まるでアメリカのルート沿いに建つうらびれたモーテルの様で、どこか寂しげに弱々しく光を放っていました。
時折かかるタンゴのメロディーが絶妙にマッチ。

いろんな事情を抱えた人たちが、ほんの少しの安らぎを求めて訪れるホテルローヤルは、大きな夢を持ったオーナーが建てたホテル。
あたたかいエピソードに心が癒されました。

しかしえっち屋さん、パンツ一枚の姿でベッドに倒れ込んでよく思い直したなぁと、ちょっとびっくりだけど、あそこで最後まで行っちゃうと奥さんだけでなく、雅代の心まで大きく傷つけてしまう、そんな大切なものがあそこにはあったんだろうなと思い、あったかな気持ちに包まれたいい作品でした。

制作はメ〜テレさんと言うことで、テレビ局の制作に良くありがちな2時間ドラマの様な詰め込み感は微塵もなく、程よいペースで進む物語で好感度高いです。

大変な出来事が起こる中、人々の夢や希望、絶望までも飲み込んで、最後にはホッとする優しさが心地よかったな。

最後の最後、改めてあの看板を眺めてみると、なんだか優しい気持ちになれたよ😌
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