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ホテルローヤルのmoのレビュー・感想・評価

ホテルローヤル(2020年製作の映画)
4.4


くっそ泣いてしまった。昭和のラブホを巡りまくり、昭和情緒を愛するオタクやっててよかった。これで映画納めにします。
ちなみに原作未読。
なんでこんなに評価低いんだよバーーーカ
原作好きな人だけだろこの映画叩いていいの

キャストにだけ惹かれて軽い気持ちで見た、ラブホになんて何も思い入れのない、一般人様のご意見とおれのはち切れそうな想いなんて、通じ合うはずがなかったのだ。
おれは冒頭から辛かったよ。タイトルになってるホテルローヤルがいきなり廃墟の姿で現れるんだもの。きみはもういないんだね
確かにそこには人がいて、誰かの日常であり非日常でもあったのだ。わたしは心霊系も好きだしYouTuberの廃墟探索系動画もたまに見るが、 あまりそんなおどろおどろしいものとして扱ってくれるなよ…と悲しくなる。そこで夢を見た人も確かにたくさんいたのに…

清掃のおばちゃんたちと雅代ちゃんの休憩シーンとかすごく良かったな。息子が逮捕されたおばちゃんが失踪しちゃうとこ、苦しかった、けどいいエピソードだった。
バブルバス初挑戦の夫婦も可愛かったしちゃんとエロいし泣いた。尊い。おれがラブホ舞台の映画に求める情景ってこういうのなんですよね。そこらへんに溢れたクソつまらんシティホテルとは全然違う、チャーミングすぎるお部屋で戯れるふたり。これ以上何もいらない。
JKと先生、関係性なかなかええやん!と好印象だったのに、なんでラブホで心中するねん、本当に勘弁してくれ。みんな、ラブホで死ぬな、犯すな、殺すな。わたしの愛するラブホちゃんたちもいつかこんな最後を迎えてしまったらと想像するだけで恐ろしいのだ。
マスゴミが押しかけてくるシーン、胸糞すぎるだろ。そこに颯爽とやってきてバイブばらまいてマスゴミ蹴散らすえっち屋さんの頼もしさよ。そりゃ雅代じゃなくても惚れます。

ホテルローヤルができた経緯、雅代ちゃんが生まれるまでの経緯、そこのシーン本当に泣きっぱなしだったんですけど…… あの、こういうベタなのでよくないですか?文句つけてる人たち、映画見すぎて目が肥えてしまったんじゃないですか?これ以上なにを望むんだよ… この時代にはこういう男女がきっといっぱいいた、そしてこういう街並みでこういう人たちが住んでいた… それが見れればわたしは胸がいっぱいなんだけどな。
昭和から平成初期にかけてローヤルのようなホテルはしぬほどたくさんあった、ありふれたものだったはずだ。けれどそこには色んな人たちがいて、幸せなこともそうじゃないのも同時にたくさん存在した。
こんな愛おしさと切なさに包まれる映画で2023年を〆られて、ラブホおたくは幸せです。来年も素敵なラブホに行きたいな。
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