Inagaquilala

めぐり逢えたらのInagaquilalaのレビュー・感想・評価

めぐり逢えたら(1993年製作の映画)
3.5
いかにもな抒情的な邦題が付けられているが、原題は「Sleepless in Seattle」。自分が好きな街の1つであるシアトルが舞台ということで、観賞する。原題は「シアトルの眠れない日々」とでも邦訳したらよいかもしれないが、妻に先立たれて、8歳の息子と失意の毎日を送っているトム・ハンクス扮する主人公。息子がラジオ番組に「パパに新しい奥さんを」とリクエストしたことから、物語が動き始める。シアトルにこんな場所があったのかと思うほど、主人公と息子が住む家は、フローティングハウスのような水辺の家。海に面したシアトルという街が懐かしい。

この息子のリクエストに反応したのが、東海岸のボルチモアに住む新聞記者のアニー。演じるのは「ユー・ガット・メール」(1998年)でもトム・ハンクスと共演するメグ・ライアン。こちらは1993年の作品だが、トム・ハンクスがこんなラブコメディも演じていたのだなと思うほど、観ていて安心できる予定調和のストーリー。もちろん、恋愛映画の常として多少のすれ違いなども用意されているが(特にニューヨークのエンパイア・ステート・ビルでのそれは過去の名作を参考にしているらしくなかなか手がこんでいる)、落ち着くべきところにたどり着くのは、これぞハリウッド・メイド。アメリカでの西海岸と東海岸の距離の隔たりを知るのには適した作品かもしれない。観賞の動機でもあったシアトルの街があまり印象に残らなかったのは、少し残念。監督のノーラ・エフロンは、この後「ユー・ガット・メール」でもメガホンをとるが、この時代には希少価値の高い女性監督の1人。
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