Takato

マグノリアのTakatoのレビュー・感想・評価

マグノリア(1999年製作の映画)
4.0
親と子のこじれた関係とその修復がテーマ。親からの愛を受けずに育った男(トム・クルーズ、クイズ少年)愛を欲する警官、愛を拒否する女、さまざまな愛に拗れた人々の群青劇を描く映画。

以下町山さんの話のメモ

PTA監督地元のマグノリア通りの話。群青劇だがそれぞれの人生がゆるく破局に向かってテンションが上がっていく。

faとeaに捧ぐ、と最後に出てくる。faはPTAの元カノの歌手フィオナ・アップル、eaはPTAのお父さん、アーニー・アンダーソン。幼少期からテレビに出ていたフィオナ・アップルのおしっこ我慢話はクイズ少年に、幼少期の性被害とドラッグに逃げる話はクラウディアに反映されている。そしてナンパ師道場のトム・クルーズと父親の話はPTAと、ブギーナイツ撮影中にガンで死去した父親との個人的な関係の反映。

蛙や魚が降る話は古今東西昔からある話。蛙が降る時にクイズ少年が読んでいる本にも書かれている。出エジプト記8章第2節にも「ユダヤ人奴隷を解放するか、さもなくば蛙を降らす」という話が出てくる。なので劇中には82というシンボルが複数出てくる。(最初の飛び降り自殺する男の隣の縄、天気予報雨の確率82%、など)
なぜ蛙を降らせたか?PTA曰く人生、どうしようもないこともあるが、蛙が降ってくるようなこともあるんだから、みんな諦めよう、というメッセージ。これはみんながいきなり輪唱しだす歌”wise up”の歌詞のメッセージとリンクしている。
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