荊冠

宇宙大戦争の荊冠のレビュー・感想・評価

宇宙大戦争(1959年製作の映画)
3.5
冒頭の国際会議のシーンにて、各国代表の手前に置かれた国旗パネルが古くて面白い。
イランの国旗はまだパフラヴィー朝のもの。
カナダの国旗は1957年から1965年2月14日まで使われていた旧式のものだ。カナダ国旗は1965年2月15日から現在のカエデマークのものに変っている。
作中の時代設定は1965年なので、月日によっては結果的にミスになり下がっているとも言い切れないが、公開年は1959年なので製作陣自体は国旗が変わることを知らなかっただろう。

今みると宇宙科学面でのリアリティの欠如や技術面での拙さが目につくかもしれないが、今から70年もの前のSF映画の先駆者として大きく評価したい。
クロマキー透過が甘く人物のフチが青くなっていたり、子供の玩具のようなレーザー銃だったり、恐ろしいテレパシーを飛ばしてくるくせいざ対面してみるとショッカーような鳴き声でピコピコしているナタール星人のギャップだったり、すべてがキッチュで愛おしい。

伊福部昭のBGMはやはり最高である。個人的にはゴジラよりも宇宙大戦争のテーマの方が好きだ。
いい歳になった高田稔が端役で出ていてちょっと嬉しかった。
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