うにたべたい

宇宙大戦争のうにたべたいのレビュー・感想・評価

宇宙大戦争(1959年製作の映画)
2.6
地球防衛軍の姉妹作として作られた作品。
一部の登場人物は地球防衛軍から続けて登場しますが、地球防衛軍のストーリーとは全く絡まないです。
そのため、続編というほどでは無く、独立した別の話として見た方が良いと思います。
製作陣も地球防衛軍同様に超豪華で、地球防衛軍と同じく監督は本多猪四朗、特監・円谷英二、製作・田中友幸、音楽・伊福部昭、脚本だけは異なり、関沢新一氏が担当しています。

ナタール人と名乗る侵略宇宙人の襲撃にあった地球人類が手を取り合って、ナタール人が拠点にしていると思われる月面へ向かうというストーリー展開です。
空へ吸い上げられる建造物や月面での戦闘、そしてタイトルにもある宇宙を舞台にしたロケットとUFOの銃撃戦と、全編を通して特撮映像がふんだんに使われていて、その頃の最先端の特撮を楽しめる作品だと思います。
特にラスト間近のナタール人が地球を襲撃するシーンの映像は迫力のあるものとなっています。
宇宙での戦闘シーンも今見るとしょぼく感じると思いますが、当時の高水準の特撮技術、脂が乗っていた時期の円谷英二の本気を見ることができる貴重な作品だと思います。

特撮やメカの造形はこだわりを感じますが、映画として面白かったかというと微妙なところで、正直、眠気を押し殺しながらどうにか見終わりました。
ナタール人のデザインが没個性すぎるんですよね。
宇宙服のようなものを着込んでいるのですが、眼前に現れるシーンでは画面も暗く、宇宙服を着た地球人と見分けがつかなかったです。
登場は1回のみで、それ以外はUFOから出てこずに声だけなので、いくら特撮が素晴らしくても、肝心のナタール人に脅威を感じることはできませんでした。
地球を奪うためやってきたとは思えないほど悪の宇宙人という印象が持てなかったです。
宇宙を縦横無尽に飛び回り、地球人を洗脳してロボットにする技術を持っている割には、戦闘機のレベル等が地球人と同じで、もう少し侵略宇宙人らしく頑張って欲しかったです。

SF特撮の歴史上では重要な作品だと思いますが、ストーリーを楽しむような作品ではないと思います。
ちなみに、"惑星大戦争"とか"世界大戦争"とか"怪獣大戦争"とか、フレーズが気に入ったのか、この頃の東宝はいろんな"~~大戦争"を作ってますね。
普通に宇宙戦争とか惑星戦争だと、少年心的に盛り上がりにかけるからなのか。