こころとからだ

ビッグ・ウィッシュ 魔法に願いをのこころとからだのレビュー・感想・評価

3.5
間違いなくリメンバーミー、もしくはブックオブライフと比較されるであろう作品。そりゃあピクサーと比べたらクオリティは下がるのは当然だが、内容はむしろよりメキシコ感があり、全然悪くない。

プレステ2のムービーシーンくらいの映像美だとしても、視聴には問題なく、描きたいことはしっかり表現されていた。

死者の国の街並みはかなりセンスが良く、ワクワクしてずっと見てたいと思わせる。世界観はリメンバーミー並、ところどころそれ以上のセンスも見られる。クリエイターは一度見ておいたほうがいい。

死者の国というテーマ上、この世から死者の国に行って、また戻ってくる。そして何か大事なことを学ぶ。この方程式は簡単には破れない。むしろここから外れたほうが、皆の期待に応えられない可能性が高くなる。千と千尋もラピュタも結局そのパターンで、皆それを期待している。何かのパクりとかではない。

ただ、中身の面では大きな問題がある。イマイチよく分からない内容。暴走してあり得ないほど感情任せな主人公。結局最後まで用途不明な謎のウーパールーパーみたいな生き物とミニガイコツ。あっけない戦いの決着。色々挙げ出すとキリがない。

だが、見て損した感じは全然ないし、普通に楽しめた。もっとゴミみたいな作品はいくらでもあるので、全然良作側に入る。

もし、ディズニーランドの新エリアで死者の国が再現されたら、と考えるとたまらないし、アトラクションでもいい。ゴミみたいな昭和レトロのテーマパークを大金かけてつくるくらいなら、マリーゴールドの黄金色の花びらで彩られたセンスと愛に溢れる死者の国を再現してほしいと願う。