ジェイコブ

アクアスラッシュのジェイコブのネタバレレビュー・内容・結末

アクアスラッシュ(2019年製作の映画)
2.1

このレビューはネタバレを含みます

夏と言えばプール、そして背筋も凍るようなホラー。
ということで、蒸し暑いような日々を吹き飛ばしてくれるようなホラーはないかと探していると、ふと本作が目に止まった。やはり目を引くのがジャケ写。ウォータースライダーを滑ってきたおバカ系のティーンギャル三人組と、何やら物騒な仕掛けギロチン。何より、今まで海や山はあっても、プールを舞台に巻き起こる残虐B級ホラーなんて、観たことないなと思い、レンタルした。
……予め言っておくと、ジャケ写以上の事は起こらないし、寧ろ清々しいまでにその一瞬にかけている。期待していたような殺戮シーンなどはなく、大半の時間は犬も食わないような痴話喧嘩を見せられるうえに、登場人物は世も末と言っても憚られないようなアホばかり。監督は一体何がしたかったのか理解に苦しむところだが、ふと、これは「ウォータースライダー」をテーマにした映画なのではないかと考えついた。ウォータースライダーといえば、照りつける日射しの中、苦痛に耐えながら行列に並び、いざ自分の番がやってきて滑ったかと思えば、あっという間に終わってしまう。本作は正にそれだ。監督がそうした「ウォータースライダー」的構成を計算に入れて、本作を作ったのだとしたら、これは一本取られたと言わざるを得ない。
自評をまとめると、ウォータースライダーを殺人兵器に変えるという斬新な発想は良い。しかし、せめてドリルや仕掛けノコギリも欲しいところ。ギロチンはB級ホラー好きなら食いつきそうな中々のアイデアだとは思うし、大半を無意味なやり取りに費やすくらいならいっそ、序盤からフルスロットルで行ってほしかったのが本音。