TAK44マグナム

アクアスラッシュのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

アクアスラッシュ(2019年製作の映画)
3.7
血まみれスライダー大虐殺!


ウォータースライダーに刃物しこんで、滑ってきたら人体が四散する、真夏のおバカスラッシャー!
しかし、雰囲気は大真面目。
また、スラッシャーと呼ぶのは果たして合っているのか?
確かに殺人鬼は出てくるんですけど、クライマックスのウォータースライダー殺人以外は冒頭と中盤に殺人シーンがあるだけで、あとはグダグダダラダラとドラマパートが続く一味違った構成なんですよね。
犯人の動機やラストに「13日の金曜日」へのオマージュが見てとれるし、スラッシャーと言えばスラッシャースタイルなのでしょうけれど。
まぁ、正直、そんな重箱の隅をつっついて論じるような代物ではなく、ウォータースライダーでバラバラにされる!という一点突破主義の象徴のような映画です。

ドラマパートは人間関係とか観ていけば分かるようにはなっているんですけれど、不親切なのでよく分からないでゴチャゴチャしています。
ただ、筋は通っているし、なにより尺が短い映画なのであっという間に終わりますから「長い!」という不満は感じられませんでした。
「いつ、誰が切り株にされるんだろう?」と思っていたら景気良くバラバラにされて、「ハイ、見たいものがちゃんと見れたから満足でしょう?」ってな感じでオシマイ!ですよ(苦笑)
しかし、主人公たちが結局のところ本筋から蚊帳の外のまんま終わるってのは斬新といえば斬新なスラッシャー。
たぶん最後まで何も分かってないものね。


ウォータースライダーは入り口が三つあるんですが、罠が仕掛けられたのはそのうちのひとつなので、同時に滑って誰が殺されるのか分からない趣向はまぁまぁ良かったです。
この時、主人公チーム、ビッチチームと、もう1チーム滑るわけですが、この脇役チームが全然楽しそうに滑らない演出は何なのか(苦笑)
ずっと仏頂面で滑ってましたが、気になって眠れなくなったらどうしてくれる!
睡眠障害で訴えよう(苦笑)


兎にも角にも、人体バラバラは丹念に描写されていて良かったです!
スパスパっと、思いきり千切れ飛びます!
そしてスライダーを流れる水が真っ赤に染まり、ゴロンゴロンと胴体やら首やらが滑ってくるのです!
プールにプカプカと浮かぶバラバラ死体!
メチャンコ悪趣味!
刃物には内臓が巻きついていたり、後から滑ってきた男も首チョンパされたり、監視員のオッサンも思わず気絶して監視台から落ちちゃいますよ!
もうね、ここだけをやりたかったんでしょうね。
このワンアイデアだけが先にあって、それを長編化するために無理やりドラマパートをくっつけたみたいな感じさえします。

そういえばジェームズ・マカヴォイも出演したドイツ産のスラッシャーホラー「ザ・ブルー」というのを以前レビューしたのですが、あの映画でもスライダーにナイフっていう組み合わせの殺人シークエンスがありました。
でも直接的な描写がなく、非常に物足りない場面だったので、それをブラッシュアップさせ魅せてくれたのが本作かもしれません。


ビキニの女子高生(本当の年齢はたぶん違いますが)と乱痴気騒ぎ、そしてスーパーゴアをまとめて観られる、ホットでクールなおバカホラーは如何でしょう。
頭の悪さは保証します(苦笑)
このコロナ禍で今年のプール遊びは出来そうもありませんから、せめて映画でプールやウォータースライダー気分を楽しむのも良いかもしれませんよ。
ただし、地獄の血まみれウォータースライダーですけれど!

それにしても、あの切れ味が異常に鋭くてデッカい刃物はどこから調達してきたんだろうか・・・(汗)?


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