たにたに

キャデラックレコード 〜音楽でアメリカを変えた人々の物語〜のたにたにのレビュー・感想・評価

3.7
【ブルースのルーツ】2023年52本目

南部に住む黒人マディ・ウォーターズ。
シカゴへ赴き、ストリートミュージシャンとして活動するも都会の喧騒にアコースティックはかき消された。
そこでアンプを持ち出し、大音量で奏でるブルースが一躍人気となる。
シカゴ・ブルースの誕生だ。
クラブ経営者のチェスの目に留まり、バンドメンバーとの演奏でマディはその名を轟かせていく。
後に、チェスレコードが立ち上げられ、有名なミュージシャンがそこから誕生した。

チェスレコードの盛衰。
そこに所属するミュージシャンたちの関係性を交えながら、人種・ドラッグ・生い立ちから発生する仲間割れなど、様々な問題を取り上げている。

マディ・ウォーターズは、ビートルズやローリングストーンズの憧れの人物であり、全世界の音楽界を代表する1人である。

彼を認め、しっかりとその報酬も与えたチェスという白人の男がいたという事実。
この映画にはその歴史的事実と、密かな空虚感を感じさせられる。
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