コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、全国民に外出自粛が要請されている今（2020年5月：この原稿執筆時）という現実を題材に制作された、画期的な傑作だと思います。
「カメラを止めるな！」で活躍した監督が、外出自粛の今、「完全リモート」で作品を作るように依頼され、その難関を乗り越えながら、映画制作をしていく物語だが、そのアイデアが素晴しいです。そして、このフィクションの中だけでなく、現実世界で、本作品は、キャスト全員が一度も会わずに、完全リモートで制作されたというのだから驚き。
ストーリー自体もなかなか面白いが、そこに、この困難を頑張って乗り越えて行こう、というメッセージが込められていて、胸が熱くなりました。もちろん、楽しく笑える場面が殆どですが、一部、しんみり、という感じでしょうか。
本作品を鑑賞しようという方は、「カメラを止めるな！」を鑑賞済みだとは思いますが、もし、未鑑賞であれば、鑑賞後に本作品を観た方がよいです。本作品は、続編と呼べるような作品で、「カメラを止めるな！」に登場する主要なキャラクターが多く登場します。つまり、「カメラを止めるな！」を観ていれば、そのキャラを観た瞬間にどういう設定の人物か分かり、セリフ回しなども、「このキャラなら、こう言うよね」と納得できるのです。ストーリーにも入り込みやすいです。
社会的に困難な状況の時に、リアルタイムで、観客を勇気づける、そんな映画作品に満点をつけさせていただきました。
