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スピリットウォーカーのmatchypotterのレビュー・感想・評価

スピリットウォーカー(2020年製作の映画)
3.8
韓国の映画なんかないかと思ってFilmarksをウロウロパトロールしてたら発見。

バイオレンスのような、SFのような、サスペンスのようなアクション。なかなか良い。良いモン見つけて満足。

ユンゲサン。この人、絶妙な作品に出てる。
日本では超絶大ヒットしたり話題になるような作品には恵まれてない気もしないでもないけど、『ユンジンウォン』『犯罪都市』『マルモイ』など、個人的にはすごく良い線の作品に出てる。

これもそう。
彼が出てる作品にハズレは無いかもしれない。

タイムスリップや『バタフライエフェクト』的なタイムリープとも違う。

交通事故の現場で負傷しているところで目を覚ます。だけども、記憶がなくて何も覚えていない。
記憶を取り戻そうとしている矢先、グルグルと周りの風景が変わり始め、別のところでまた目を覚ます。

すると、自分の見た目も変わってる。“誰だか知らない他の人”になっている。

もともとの自分の記憶もない。記憶を戻したいが他の人に入れ替わってしまい、その都度騒動に巻き込まれ、それどころではない。

なにやら0時と12時、12時間おきにその“入れ替わり現象”が起きることを突き止める。
しかし、それを避けることはできない。

しかも、どうやら何かの同じ陰謀に関わる人に入れ替わっている模様。

自分は誰で、本当の自分はどこにいて、何がしたくて、この陰謀は何なのか、元の自分に戻れるのか、、、。

こんなワケわからない設定を、野太い陰謀の上に乗せて、SF、サスペンス、人間ドラマ、アクション全開でジェットコースター並みに畳み掛けて、、、収めてくる。

韓国、さすがだ。
収拾つかない話になるのではないかと思いきや、ちゃんとやり遂げる。

でも、なんだっけな、“人が入れ替わる”韓国の映画、前に観たな、、、と思ったら『ビューティーインサイド』か。
毎日、自分が他の人になってしまうが、それでも同じ人を愛し抜く話。

この手の設定、韓国のお家芸なのではないか。

今日、午前中に『ターザン:リボーン』を観てたのだが、そこに出てるサミュエルLジャクソン。
この映画にも同じ役割を果たしてる人物がいる。

ここに出てくるホームレスのおっさん。彼もまた絶妙な作品に結構出てる名バイプレイヤー。

彼が“入れ替わる”主人公を、入れ替わっても“わかる”人物の設定にしていることで、なんやかんやとこのホームレスが主人公を支え、話が見えなくならないように捕まえてる。

こういう役どころは、とても重要。
ただのホームレスだったのに、“入れ替わる主人公”が困った時の拠り所にしてしまったがために、このホームレスも一緒に陰謀に首を突っ込まされてしまう。

彼からすればいい迷惑としか言いようがないが、彼がいることで話が成り立ち、ブレないようになっている、、、素晴らしいホームレス。

そうこうしている間に、自分の体を見つける、こんな不可思議な現象が起きる原因も何となくわかり、当時のことも思い出す、、、しかし、そこからどう戻るのか、と、この陰謀との決着、、、そこからが見もの。

この原因はなかなかSF感があるが、それをシレッとバイオレンスで馴染ませてくる。

そして、思い出すことと同時に、記憶喪失のまま入れ替わってたことも後で生きてくるのも良い。
つまり、元の自分では見聞きできないことを実は見聞きしていたが八方塞がりの窮地の彼にとって切り札化していく。

いやほんと、スゴい脚本力、韓国。
多少イカれた設定をモノにする力、あっぱれ。日本でもできないことなさそうなのに、なかなかない作品。

「“こいつら”ではありません、“1人の人”です」。

ユンゲサンはいつも以上にカッコいいし、イムジヨンもキレイだし、最後までどう決着するのか気になって仕方がない。
やや評点が低いように思うけど、そんなことない。面白い。

※24年3月、映画オススメブログ、始めました。
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『matchypotterと映画の秘宝』
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作品単発のレビューはここでやっているので、こちらは企画記事メインに挑戦したいと思います。
皆さん、時間がある時にでも見に来てください。
(まだ始めたばかりでお粗末が過ぎるブログですが)
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