わらびもち

ビルド・ア・ガールのわらびもちのレビュー・感想・評価

ビルド・ア・ガール(2019年製作の映画)
3.9
Fan’s Voiceのオンライン試写会にて鑑賞させていただきました。

レディバード、ブックスマートから馴染みのあるビーニーフェルドスタインが主役を演じています。彼女はベストフレンド役の主役のどっちをしても輝いていますね。
けどむしろ今回のような主役をした作品をもっと観たいと思いました!

最初にイギリスの田舎に住む友達ほぼゼロの16歳の女の子が学校の図書館の1人自習スペースで窓の外の景色を眺めているシーンから始まります。始まってすぐこれめっちゃ共感できそうと思ったのは、私も中学生のときから窓際の1人専用学習スペースは大好きだったからです(笑)

早くこんな田舎から出て都市で人生を謳歌したい!という気持ちはカミングオブエイジ映画あるあるだと思いましたが、文才を生かしてロックのライターを目指すという展開は新鮮でした。
「あの頃ペニーレインと」にあるローリングストーン誌でライターになった少年の話を思い出しましたが、これは女性が主人公ということもあって、若いだけじゃなくて一女性としてどう大人の社会が見えているかが分かりました。
上司から膝の上に座りなよ、とか女性卑下の価値観丸出しやんって思ったとき、ジョアンナがした行動が意外で、反抗していく形でスッキリさせてくれたのがより面白かったです。そういう男性優位社会に立ち向かっていく姿勢も時々見られて、フェミニズム要素も感じられました。お前らなんかぶっ飛ばす!という精神には元気付けられました。

この映画は彼女自身の冒険物語としても刺激的なのですが、家族の物語としても成り立つと思いました。父と兄もロックが好きで、仕事を教えてくれた兄は素敵だなと思いました。ですがお父さんに限っては昔からロックスターを目指して今も諦めていません。それで娘に俺を有名にしてくれ!と少し自分勝手に託す後の展開はちょっと複雑でした。

この映画を観てライブに行きたくなりました。パンデミック以来もう1年半以上ライブに行っていません、、泣
初めて行ったギグが一番思い出に残る、というお父さんのセリフは同感しかないです。私も2年前にイギリスで大好きなバンドのギグに初めて行った時のことは一生忘れません。ロックの世界に本当に自分がいるんだと実感できました。ジョアンナが音楽に身を任せてその瞬間に生きている様子を見て自分を重ねずにはいられませんでした。

友達がいないからこそなのか、部屋の壁の著名人や伝説の人々の写真が動き出す演出がとても面白かったです。ハリーポッターの城を思い出しました(笑)けどその歴史上の人物を演じてる俳優が豪華すぎて、、エンドロール見てから気づいたんですけどね。笑

あとRebel Girlが流れながら£9ちょっとを握りしめてメイクオーバーの道具を買いに行くシーンもテンション上がりました!