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ビルド・ア・ガールのkuuのレビュー・感想・評価

ビルド・ア・ガール(2019年製作の映画)
4.0
『ビルド・ア・ガール』
原題 How to Build a Girl.
映倫区分 R15+.
製作年 2019年。上映時間 105分。
1990年代前半のUKロックシーンを舞台に、冴えない高校生から辛口音楽ライターに転身した少女の奮闘を描いた青春ドラマ。
ビーニー・フェルドスタインが主演を務め、作家・コラムニストのケイトリン・モランの自伝的小説を映画化した。
共演はアルフィー・アレン、エマ・トンプソン。
カメオ出演にモデルとなったケイトリン・モラン。
映画の終盤、ジョアンナがフェイス誌での仕事を得るシーンで、左のオフィスの前を友人と話しながら歩くケイトリン・モランの姿が見える。
    『Mystère』
        By✏️ George,AKA kuu
  Swelling like a sea moon
The wonder of the dizzying night
  My twisted imagination
   Floating in the air

  Shining for no reason at all
 The wonder of the sea and sky
  Unable to keep its shape
  And the balance collapses

I just want you to understand
 I don't know, I don't know
    This feelings

The wonder of the twinkling stars playing
    I eat someone's words
    I repeat my daily life

    I want you to know
    Words are fanciful
They don't even know where they're           going

 Swelling like a sea moon
The wonder of the dizzying night
My twisted imagination floating in the air

The wonder of the dazzling night
  The wonder of the night
   The chocolate melts
  It's a wonder it's spreading
   There's a needle in it
Into a shallow wound for no apparent          reason

愚詩で始めます。

1993年、イギリス郊外に家族7人で暮らす16歳のジョアンナは、底なしの想像力と文才を持て余し、悶々とした日々を過ごしていた。
そんな日常を変えるべく、音楽情報誌『D&ME』のライターに応募した彼女は、単身ロンドンへ乗り込んで仕事を手に入れることに成功。しかし取材で出会ったロックスターのジョン・カイトに夢中になり、冷静な記事を書けず大失敗してしまう。
編集部のアドバイスにより、過激な毒舌記事を書きまくる辛口批評家“ドリー・ワイルド”として注目を集めていくジョアンナだったが。。。

ビーニー・フェルドスタインが、英国訛りのジョアンナ・モリガン役で出演していますが、彼女は、アクセントを正しく身につけるために、ウォルバーハンプトンのコーキー・ギェドロイツ監督と1ヶ月間生活を共にしたそうです。
フェルドスタインは地元の書店で働くことになったそうやけど、その際、母国語のカリフォルニア訛りを使うことを禁じられたそうです。
主人公のジョアンナは夢想家で、図書館のいつもの場所に座りながら、ダーシーがこの平凡な生活から自分を救ってくれることを空想している。
ジョアンナは聡明で、学校ではかなり不適格者として扱われていることがすぐにわかる。
英語の先生からも、作文の課題を減らすように云われている。
ジョアンナは、世界的な夢想家であることに加え、非常に才能のある作家であり、それがウォルバーハンプトンから逃れる唯一の方法だと考えていた。
自宅には、ジョアンナの文学的、歴史的ヒーローの写真を飾った『神々の壁』がある。
米国詩人シルヴィア・プラス(ルーシー・パンチ)、
英国出身女優エリザベス・テイラー(リリー・アレン)、
ヴィクトリア時代を代表する小説家姉妹ブロンテ姉妹、
オーストリアの心理学者ジークムント・フロイト(マイケル・シーン)、
『サウンド・オブ・ミュージック』元ネタのマリア・フォン・トラップ(ジェマ・アータートン)。
ジョアンナはこれらの写真に語りかけ、写真たちは彼女に答える。
彼女の家族は、貧困から抜け出すために必死で生きている。
監督のコーキー・ギェドロイツは、キャリアのほとんどをテレビ番組で過ごしてきたそうやけど、この素材に対する感覚は十分持ち合わせている。
しかし、今作品を成立させているのは、コメディもドラマも含めて、ほとんどビーニー・フェルドスタインの自由奔放な演技にほかならない。
才能あるぽっちゃりアウトサイダーはこれまで何度も見てきたし、その分、期待値も少し低めやった。
しかし、今回は、いつもと違う展開と、情熱的な映画製作者と俳優たちによって、非常に楽しい作品となってました。
素晴らしいキャスト、巧みなパフォーマンス、そして、善きストーリー。
ユーモアがありながら、心のこもった面白い作品でした。

余談ばかりですが、作中、ジョアンナ・モリガンの台詞を一部抜粋して終わります。
(台詞を聞いて走り書きした愚訳ですので細かな所に誤りがあるかとは思いますが大筋では間違いないかと🙇)

自分自身を作り上げたものの、間違ったもので作り上げたことに気づいたとき、あなたはどうしますか?
それを壊して、また始めるの。
作り上げては壊し、作り上げては壊し。
延々と、繰り返し、絶え間なく。
変化つづける、変化、変化。
最終的に何が自分になるのか?
ある日、あなたは自分がしたことに驚嘆する。
大声で、酔っぱらって人を傷ける、笑って、パニックになって、耐えられないほど存在感のある自分自身を、秘密にしておこうとしたってムダ。
そして、その服の下にある輝きにも。
そして、最高の探求のように、いかにして、ある少女のために全てを行ったか。
あなた自身よ。
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