ぽん

ビルド・ア・ガールのぽんのレビュー・感想・評価

ビルド・ア・ガール(2019年製作の映画)
3.6
渡辺直美ちゃんみたいなポジティブでパワフルなぽっちゃり女子、ビーニー・フェルドスタイン主演。「ブックスマート」(2019)でのウザ面白いキャラが大変よかったので、彼女狙いで観てみた。

ビーニーちゃん演じるヒロインのジョアンナは、ティーンエイジャーにして音楽ライターとして頭角を現す文才のある女子高生。「あの頃ペニー・レインと」(2000)のようなエモいプロットに一瞬、おっ?!と心躍ったのですが。ロック好きでもないのにテキトーにバンドの悪口並べて「辛口批評」で名をはせてしまうという下りでテンション下がってしまった。批判の内容がぜんぜん音楽的じゃないんだもの、音楽ファンを舐めてますよ。コメディとは言え脚色がいい加減すぎかなぁと。実話ベースらしいので本当のところはどうだったのか、都会の大人の世界に飛び込んで奮闘した、純朴な女の子のリアルなサクセスストーリーが観たかったなぁ・・・というのが率直な感想です。

とは言え。

頑張ってちょっと成功して天狗になって現実にぶち当たってどん底に落ちてまたそこから這い上がって・・・と、これぞ青春の蹉跌というポイントは押さえてあって、そこそこ感情は揺さぶられる。お兄ちゃんがすごくイイ子なんだよなー。親友的ポジションで。あとジョアンナが恋をするロッカーのジョンがばちくそナイスガイ。夜のバス停で看板から出てきてずっと隣を歩いてくれるって演出に震えた。

ジョアンナの「私が文章を書き続けるのは願いをビンに入れるようなもの」ってセリフがすごーく良い。それを聞いたジョンが「ベイビー、願いをビンに入れるのがこの業界の仕事だ」って答えるのも、めちゃくちゃいい。このダイアローグだけで点数3点加算。ベイビーだって!まったくもー!惚れてまうやろー!!(落ち着けアラカン)

さきほど文句つけた、悪口ざんまいのエセ批評についても終盤でちゃんと決着をつけるので、留飲は下がる。
そうですね、元気が出るエンパワメント・ムービーではありますね😊
友達のいない彼女を励ます、壁に貼られた偉人たちが賑やかで楽しかった。フロイトやマルクスまでいたね。(いいじゃん!)
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